八番筋カウンシル
下の兄弟とは、やはり要領よくなるものなのだろうか。
主人公が弟にたいして抱く感情は理解できる。
なぜ、自分は母親の苦労のことを気に病んでいるのに、そんなに呑気なのか、と思ったことは何度もある。
それは羨ましいからだ。
自分の失敗をみて、同じ失敗を犯さない、やりたいようにやっている、下の兄弟が。
しかし、こうして小説を読む、ということで客観的にみていると、本当に余計なお世話だ、と思う。
勝手に親の心配をして、かわいそうぶるな、と思う。
全体的に少しずつ謎めいたまま、話は終わってしまうが、読んでいる限りではカナヤという人物に憧れる。
流れにひたすら身をまかせているようだ。
なんでも流して飄々と生きたい。