小谷夏子は、本当に嫌な女で、嫌な女のまま終わった。
悪役でも、その人の背景を知ると「そんな事情があったのか…」と思うことは結構多い。
つまり、最後まで最初の悪い奴という印象のままということは少ない。
だけど、時々、ある。
最初から最後まで、ずぅっと好きになれない、
というか嫌いなままのキャラクターが。
今回はこれだった。
そもそも、語り手の石田徹子の目線と、夏子に関わった人達の話でしか、この小谷夏子は登場しない。
だから本当の夏子の考えや生い立ち、気持ち等は
最後まで一切分からないままなのだ。
そんな訳で、タイトル通りの嫌な女っぷりが
よく分かる作品だった。