人生オークション
「他にもたくさん同じようなものが出品されているのに、どうして自分にはこれが必要だということが彼女たちにはわかるのだろうか。他のものじゃダメ、これじゃなくちゃダメ、そんなふうに思ったことが私には一度でもあるだろうか。」
というところを読んで、確かに、と思ったら。
私は、ヤフオク!を利用したことはない。
というかオークション自体。だから正確には、
この文とは違うけれど、
何かが欲しい、これが欲しい、
と思うとそれじゃないとダメな気がする。
何かを買うときに、何でもいいけど
目についたからこれ、という時よりも、
これがいい!と思って買うことの方が多いけれど、
よく考えたらそれって不思議。
もうひとつ、
「怒らせたり困らせたりするのは一瞬でできるけど、人に許してもらうには時間がかかるんだよ、たぶん」
これもハッとした。
それはその通りで、私は、すぐに怒るけれど、
すぐには許せない。
一瞬で許すなんて出来ない。
それでも何ヵ月も何年もってことはないけれど、
何十年たったって許せないことも世の中にはあるだろう。
だけど、怒らせることは一瞬で出来る。
信用をなくすことも。
それを恐れてびくびく接するのも違うと思うけど、
なるべくなら人を傷つけずに生きていきたい。
私は、たくさん人を傷つけたことがあるし、
かってに傷ついたこともあるから難しいことだけど。
りり子のような人に憧れる。
後先を考えず、その時その時を生きているようにみえるからだ。
白石の妻は頭がおかしな女だと思うし、すごくムカつくのに、よく謝れるな、と思った。
「私がやってなくても、やったのとどこが違うの?一番大切な人たちに信じてもらえないなら、どこが違うの?これまで自分がそういう人生を生きてきたんだからしょうがない」
この状況に陥ったときに、このセリフを言うりり子はすごい。
受け入れることが出来る人なんだ。