JIYU、自由、じゆう。

29歳、何事も続かない私の頭の中です。タイトルが思い付かず、好きな言葉を並べてしまいました。

あめよび

美子と輝男のやりとりは心が痛くなるほど、分かる。

「本当に愛しているなら、何故結婚してくれないの?」


これだ。
輝男が美子のことを大切に想っていることは、分かる。
ならば何故そこまで頑なに同棲も結婚も拒むのか。

美子を自分に置き換えたとしても、ほぼ同じ会話をしそうである。


なんで結婚にここまで囚われてしまうのかも、
よく分からない。

分からないけれど、

「私のこと、好きなの、嫌いなの」
「だから、好きだよ、そう言っているじゃん」
「そんなの、言葉ならいくらでも言える。ちゃんと行動で表してほしい」

そうなのです。その通り、と思ってしまうのです。

さらに、

「結婚とか※諱とかさ。おれが一番好きだって言ってるんだから、それでいいじゃない」
「ごまかしてる。結局、私のことはあんまり好きじゃなかったんだね」

そう。そういう発想になってしまうのです。
心が痛い。本当に。


※諱とは"いみな"と読み、古い風習が残る村などで自分につけられたもう1つの名前のこと。
この物語では、諱は結婚する相手にしか教えない、という風習の村で輝男は育った。


輝男のような男の人は、ある意味で子供のように素直に自負のやりたいことをやっていて、すごく惹かれる気持ちはよく分かる。

それでいて、譲れないものは何がなんでも譲らないのだ。

これが切ない。


こういう話は身につまされるのだ。

私自身も、結婚したくて堪らないのに、いつなの?という不安定な心持ちだから。

このての話は自負のことのように重い気持ちになってしまう。
が、好き。

怖いものみたさ、というやつかも。